清須市 動物病院 腫瘍なら水野動物病院に 稲沢市や一宮市からも多数来院

㈱水野動物病院

ホームドクターとして地域に密着した医療と、
質の高い獣医療を目指しています。

放射線治療
ここでは、当院で行っている放射線治療について説明します。

放射線治療とは・・・

簡単に書いてしまえば、放射線をがん組織に照射する事によって、ガン細胞をやっつけてしまおうっていう治療法です。

放射線治療の目的

正常組織の障害を最低限に抑えて、腫瘍組織を最大限殺滅することが目的となります。

放射線治療の利点と欠点

  • 利点

    ・化学療法(抗がん剤)と比較して腫瘍細胞の殺滅効果がかなり高い
    ・外科手術と異なり、周囲健康組織の機能を温存できる
    ・外科手術が不可能な部位にも効力を発揮する
    ・局所療法であること(全身的な影響が極めて小さい)

  • 欠点

    ・複数回の全身麻酔が必要になる
    ・周囲健康組織の放射線障害が発生
     (適切な治療を行えば、元に戻らない様な放射線障害が発生する確立は5%以下に押さえられます。)
    ・あくまで局所療法である(腫瘍が全身に及ぶ場合、根治治療とはならない)

放射線障害とは?

  • 放射線を照射する事で周囲の正常組織に起こる反応のことで、大きく2つに分類される

    急性障害(炎症を主徴とする):照射後数週から発生し、照射終了前後が最もひどくなる。
    ・皮膚炎、脱毛、毛色の変化、潰瘍など

    晩発障害(壊死を主徴とする):治療終了後3ヶ月前後〜数年で発症
    ・色素沈着、壊死、永久脱毛、難治性潰瘍、白内障、二次性発ガンなど

何をもって放射線治療を選択するか?

  • 考慮するポイントは・・・

    1) 目的を明確にする(根治的?予防的?緩和的?)
    2) 放射線感受性(腫瘍の感受性は?周囲正常組織の感受性は?)
    3) 腫瘍の状態(どこの腫瘍?今のステージは?腫瘍の悪性度は?)
    4) 形態や機能を温存するかどうか?(形態や機能を温存できない外科手術は嫌だ!!)
    5) 放射線治療単独で行うか?(肉眼で確認される腫瘍の内、根治が期待できるものはわずか。)
     他の治療法と併用するのか?(外科手術、化学療法、温熱療法など)
    6) 治療期間は?費用は?
    7) ワンちゃん/ネコちゃんの現段階の全身状態(数回の全身麻酔に耐えれるかどうか?)
     腫瘍によって変わりますが、根治目的では週に3~5回、緩和目的では週に1回必要になります。
    8) 飼い主さんがどうしたいのか?(これが1番重要です!!)

治療対象となる腫瘍

  • 放射線治療が主治療となる腫瘍

    ・脳腫瘍
    ・鼻腔内腫瘍
    ・口腔内腫瘍
    ・脊髄腫瘍
    ・甲状腺腫瘍などの各頭頚部腫瘍

  • 手術後の補助療法として対象となる腫瘍

    ・肥満細胞腫
    ・軟部組織肉腫
    ・ネコのワクチン関連肉腫
    ・髄膜種
    ・手術後の残存腫瘍細胞に対して

腫瘍の放射線感受性(放射線治療が効きやすいかどうか?)

  • 感受性が高い:リンパ腫、肛門周囲腺腫、棘細胞性エナメル上皮腫

    感受性が中程度:肥満細胞腫、血管周皮腫、腺癌、口腔内扁平上皮癌、膀胱ガン

    感受性が低い:線維肉腫、骨肉腫、悪性メラノーマ、平滑筋肉腫