・化学療法(抗がん剤)と比較して腫瘍細胞の殺滅効果がかなり高い
・外科手術と異なり、周囲健康組織の機能を温存できる
・外科手術が不可能な部位にも効力を発揮する
・局所療法であること(全身的な影響が極めて小さい)
・複数回の全身麻酔が必要になる
・周囲健康組織の放射線障害が発生
(適切な治療を行えば、元に戻らない様な放射線障害が発生する確立は5%以下に押さえられます。)
・あくまで局所療法である(腫瘍が全身に及ぶ場合、根治治療とはならない)
放射線を照射する事で周囲の正常組織に起こる反応のことで、大きく2つに分類される
急性障害(炎症を主徴とする):照射後数週から発生し、照射終了前後が最もひどくなる。
・皮膚炎、脱毛、毛色の変化、潰瘍など
晩発障害(壊死を主徴とする):治療終了後3ヶ月前後〜数年で発症
・色素沈着、壊死、永久脱毛、難治性潰瘍、白内障、二次性発ガンなど
考慮するポイントは・・・
1) 目的を明確にする(根治的?予防的?緩和的?)
2) 放射線感受性(腫瘍の感受性は?周囲正常組織の感受性は?)
3) 腫瘍の状態(どこの腫瘍?今のステージは?腫瘍の悪性度は?)
4) 形態や機能を温存するかどうか?(形態や機能を温存できない外科手術は嫌だ!!)
5) 放射線治療単独で行うか?(肉眼で確認される腫瘍の内、根治が期待できるものはわずか。)
他の治療法と併用するのか?(外科手術、化学療法、温熱療法など)
6) 治療期間は?費用は?
7) ワンちゃん/ネコちゃんの現段階の全身状態(数回の全身麻酔に耐えれるかどうか?)
腫瘍によって変わりますが、根治目的では週に3~5回、緩和目的では週に1回必要になります。
8) 飼い主さんがどうしたいのか?(これが1番重要です!!)
・脳腫瘍
・鼻腔内腫瘍
・口腔内腫瘍
・脊髄腫瘍
・甲状腺腫瘍などの各頭頚部腫瘍
・肥満細胞腫
・軟部組織肉腫
・ネコのワクチン関連肉腫
・髄膜種
・手術後の残存腫瘍細胞に対して
感受性が高い:リンパ腫、肛門周囲腺腫、棘細胞性エナメル上皮腫
感受性が中程度:肥満細胞腫、血管周皮腫、腺癌、口腔内扁平上皮癌、膀胱ガン
感受性が低い:線維肉腫、骨肉腫、悪性メラノーマ、平滑筋肉腫